Blues、クラシック、いやこの車はJazzが似合う(メルセデス Eクラスクーペ)

Eクラスクーペ E250 CGI ブルーエフィシェンシー

メルセデスで、1800CC?? ターボ?? 平均燃費10km/1L超える??

低排気量のエコを意識した高級車なんて、、、

筆者は正直そう思っていた。

世界の高級車メーカーが、こんな車とは、、、

どんなレビューを書こうかな、、、っと思っていた。。。。


そんな、皮肉った期待を

この、か細い貴婦人(W212)は、見事に裏切ってくれたのだ


目の前にW212 Eクラスクーペを見た瞬間に、誰もがきっと思うだろう。

このボディラインは、非常に美しい。

ヘッドライト下部から、フロントバンパーに伸びるラインに

リアフェンダーからテールランプに伸びるボディライン

かつて、世界一美しいと言われたクーペ

BMW 6シリーズとは、また違った上質、いや、色気をまとうボディに目を奪われ

この車にどれだけの、労力がかかってデザインされたか考えると

このW212の乗り味が非常に興味深くなった。


さっそく、ドライバーシートに乗り込んでみる。

シートはSクラスよりかは、やはりちょっとチープなイメージがある。

しかし、この車は、Eクラス、それで良いのだ。

ドアを閉めると、「ドスン」車内に重厚感のある音が響く。

ウイーンと耳元で機械音が鳴る、「何だ?この音は?」と後ろを振り向くと

シートベルトアシストが標準装備されており、シートベルトが閉めやすい様に

手の届くぐらいまで、シートベルトを車側がアシストしてくれる。

ん??この装備は以前、、、、

まさか、、、と思い、ドアの開口部分を見ると、クロームメッキされた部品?

ん?ウインドウをあけると、ピラーが無く解放感にあふれるこの感じ、、、

メルセデスに詳しい方々なら、お気づき頂けたと思う。

紛れも無く、この装備は、1979年~1991年まで発売していたSクラスクーペ(C126)だ。

Sクラスクーペ(C126)は、当時メルセデスの最高級クラスで発売された。

セダンサイズをわざわざ、クーペに改良し一世風靡したメルセデスの歴史に名を刻む名車だ。

その装備を、受け継いでいる、W212、メルセデスの思惑にまんまと、はめられた気がした。

しかし、同時にメルセデスファンに「分かるでしょ?」と問いかけて来た気がして

頬が緩んだのは、紛れも無く事実だ。


と、エクステリア、インテリアに惚れ惚れしていたが

やはり、ダウンサイジングされた、1800ccのメルセデス。

かつては、5600ccあった、メルセデスだ、1800ccだなんて、余計に、気になってきた。

もちろん、エンジンのスタートは、プッシュスタートだ。

ブレーキを踏み、スタートボタンをプッシュすると、セルが回り、直4のエンジンに火が回る。ん~ちょっと、残念だ。以前のメルセデスのV8、V12エンジンの静寂さには劣る。

やはり、直4の1800cc、その程度のエンジンだろうな、、、

そう思い、スロードライブ。

足回りはクーペだからか、若干固いが、走りだしや街乗りには何ら不満を感じない。

メルセデスかと言われればメルセデスの乗り味だが

Sクラスを100点満点の評価とすれば、80点が良い所だろう。

だが、言ってもメルセデスのEクラスだ、悪くは無い。

アクセルを踏み込んでみる。

ん?予想を反する加速感だ。1800ccのエンジンにターボ。

たしかに、今までのメルセデスの様な力に満ち溢れている感じは無いが

高回転までキッチリ回り、オートマの切り替わりを感じさせず加速していく。


という事は、、、と考えながら

コーナーに侵入する。。。やっぱりか、、、

車のフロントが軽いのだ。思いのままにコーナーを曲がっていく。

like running on railsこの言葉そのままだ。

レールが引かれた場所を電車の様に綺麗に曲がっていく。

メルセデスと言えば、F1で培った技術を市販化させ各モデルに利用しているのだが

この年代からのメルセデスは、こうなんだ!

だけど、ファンの思い、メルセデスへの思いは大切にするよ!

と新しいメルセデスの世界を見せてくれた気がした。


メルセデスは、V12、AMGじゃないとな、、、

そんなユーザー層を、W212は鼻から相手にしていない。

普通にショッピング、普通にドライブ、ストレスの無いそんなメルセデス。

普通が普通であるが故の、お洒落。

この車は、スピードでもなく、見栄でも無い、普通にお洒落なのだ。


普通、だけどメルセデスというブランド価値は大きい。

ほんの、ちょっとだけ乗り手を背伸びさせてくれる。



やはりこの車は

R&Bや、熱いBluesいや、クラシックの静寂さ

そのたぐいの音楽では似合わない。

感情に乗せ即興で作りこむ。

時に粗さ、静かに聞かせる瞬間もあるオールドスクールだけど新しい

そんなJazzが当てはまる車だ。


昼間の街路樹。

夕日が映える海岸線。

月浮かぶ高速道路。

Jazzを聞きながら、1人でメルセデスを楽しむ。

最高の贅沢では無いだろうか。




という事で、今回のレビューは、メルセデスベンツ Eクラスクーペ W212モデル

セダン、ワゴン、カブリオレ、今回ご紹介したクーペモデルのラインナップが有り。

エンジンのサイズも、さまざまな環境下で、生活にマッチするEクラスらしい作りの様だ。

ガソリン:

271型 1.8L 直列4気筒 ターボ

274型 2.0L 直列4気筒 ターボ

M272M30型 3.0L V型6気筒

M272型 3.5L V型6気筒

M276型 3.5L V型6気筒

M273型 5.5L V型8気筒

M156型 6.2L V型8気筒

ディーゼル:

651型 2.2L 直列4気筒 ターボ

OM642型 3.0L V型6気筒 ターボ


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